<04春のぼんぼり>
『初戀 』の七五調の心地よい響きや、用いられる愛らしい言葉の数々からは、淡いぼんやりとした過去の憧憬を思い出します。
誰もが想うであろう美しかった「あの頃」。
その奥までも思い出したいけれど、浮かんでくるものは見えそうで虚ろです。
こちらは、融点を引き上げた固く溶けにくいロウを使用し、中にグラスキャンドルを入れて火を灯す、繰り返し使えるランタンです。
内側に描いた桜の影が浮かび上がり、奥行きを出しています。
ぼんやりと浮かび上がる桜で憧憬を表現してみました。
今年の桜も美しいけれど、あの時の桜はどんな風に咲いていただろうか…と想いを馳せて。