Liriel のすべての投稿

瀬戸内シェフズ・サミット

2014年11月28日、広島県知事の提唱で、瀬戸内の食材を全国へ知ってもらうため、瀬戸内と首都圏、海外のシェフを招いて、盛大なイベントが、笠岡市真鍋島で行 われました。

10420192_1036178589741811_9107683157990621320_n

「第1回 瀬戸内シェフズ・サミット」
私は、おもてなしの装飾としてキャンドルを提供させていただきました。

10425477_1036180063074997_8273387765331729160_n

有名ホテルの総料理長さんたちが腕を振るい、倉敷の楽団の方の生演奏がはじまり、広島・岡山両県の知事や笠岡の市長さんも来られて、大変にぎわいました。

10846308_1036178493075154_8828899652271005415_n

専門誌に掲載され、私も少し紹介されました。

11203550_1138299632863039_8043760294200266859_o

11187134_1138299666196369_8388010695538901413_o

個展作品について「06.恋の水面(MINAMOシリーズ)」

<04、恋の水面(MINAMOシリーズ)>

 

藤村の生きた時代、恋は秘め事でした。

その中で、この詩を書き発表した彼の情熱を思うと、現代の私たちが一通り読んだだけの、ただ淡く幼い恋心だけであったとは思えないのです。

 

表現の自由から、ストレートな言葉が胸に響くということももちろんありますが、隠喩や隠語というものがあるように、包み隠された中にある情緒は想像力を刺激し、胸に より濃く残ります。

 

 

このキャンドルは、外から見た色よりも、中にはかなり濃い色を入れて作ります。
そして、ひびを入れることで透明感を出しています。

もともとは、大原美術館さんのモネの睡蓮のお土産物の企画で出来た技法で、私の代表作です。

 

 

全てを出さない美しさやエロスを連想させる不思議な存在感があります。
この技法を生み出した苦労話は、ぜひ会場で聞いてください(笑)

 

 

個展作品『05.小さな恋の小箱』

<05、小さな恋の小箱>

 

恋が生まれたとき、それはとてもとても大切なものになります。

自分だけのものにして他の人には見せたくないと、しまっておきたくなります。

あるいは、しまっておかないと人に覚られてしまうから、今の恋心を閉じ込めておこう、そんな思いもあるかもしれません。

また、昔の恋心を閉じ込めて、ときどき覗いてみるのもいいかもしれません。

 

 

 

こちらは、全てロウで出来ています。
通常、ジェルワックスの中には、貝殻やドライフラワーなど溶けないものを入れますが、こちらは蜜蝋で出来た薔薇の花を入れています。

 

蝋にはそれぞれ融点があり、薄い花弁はジェルワックスを入れる際に溶けてしまうので、とても丹念に作業を行います。

 

 

小さな恋心を守るためには、この時間は大切なのです。
外側は、私の特有のアンティーク調の加工をしています。

 

ピンクのバラと真っ赤なバラがあります。
あなたの恋はどちらですか?

 

個展作品『04.春のぼんぼり』

<04春のぼんぼり>

 

『初戀 』の七五調の心地よい響きや、用いられる愛らしい言葉の数々からは、淡いぼんやりとした過去の憧憬を思い出します。

 

誰もが想うであろう美しかった「あの頃」。
その奥までも思い出したいけれど、浮かんでくるものは見えそうで虚ろです。

 

 

こちらは、融点を引き上げた固く溶けにくいロウを使用し、中にグラスキャンドルを入れて火を灯す、繰り返し使えるランタンです。
内側に描いた桜の影が浮かび上がり、奥行きを出しています。

 

ぼんやりと浮かび上がる桜で憧憬を表現してみました。

 

今年の桜も美しいけれど、あの時の桜はどんな風に咲いていただろうか…と想いを馳せて。

 

個展作品について『03.蝶の夢』

<03蝶の夢>

羽のあるものへの憧れは、自由への憧れといいます。

 

蝶はひらひらと舞いながら、どこへ飛んでいくのか見当もつかない…。
気まぐれに気に入った花にとまり、甘い蜜をうけとる…。

 

恋しい相手を追う気持ちは蝶を追うように楽しく、もどかしいものです。
「若菜集」の表紙にも蝶が描かれており、象徴的モチーフとして使われています。

 

 

 

 

このキャンドルの蝶の色は、それを追い求める気持ちの高揚と、光と、少しの不安が絡まる様子を表してみました。

マーブルは、通常ホイップと言う技法を用い、何色かのドロドロ状態のロウを型に詰め込む方法が一般的ですが、このように滑らかに混ざり合い、平面に作るマーブルは珍しく、今回初めて成功し、出してみました。

 

 

個展作品について『02.マリア像、蝶の着物、天竺牡丹のインスタレーション』

本日、マリア像が壊れました。
というか、壊していただきました。

マリア像だけに、誰も金槌で叩き壊すのが気が引けて、始め2日間はただ転がっていただけのマリアさん。
壊したのは、木版画家のタイラ コウ氏。(次々回、くわみつ個展されます。)

 

やはり、今回のマリアさんは壊れてないと意味がないのです。

 

階段上ってすぐの展示は、男性(藤村)からの恋心をイメージしています。

 

 

マリア像とは、
①母性・・・母の監護と愛を受けて育った家庭、男性にとって女性といえば母である時期。
②信仰・・・それまで自分が信じてきた概念、信念。
を象徴しています。

初恋とは、それが破壊されるくらいの衝撃を受けるもの。
そこから、恋心(=天竺牡丹)がどんどん、あっという間に真っ赤に染まり、彼女(=蝶の着物)の方へからみついていきます。

 

蝶の着物とは、つかみ取れない乙女心、少女性を表しています。

 

これがやりたいがための繊細すぎる天竺牡丹を作ることになりました。
どうやって持って帰っていただくのか。。。
販売することを一切考えてない作品です(笑)

 

いぇ、ご購入の方には何とかいたします!

 

 

個展作品について『01.恋の果実』

個展作品について

 

 

<01恋の果実>
恋の実があるとしたら、その実に秘められた力とはどんなことでしょう。
一口かじると恋に落ちる、勇気が湧いてくる、持っておくと両想いになれる…。

 

藤村の初恋のきっかけは、林檎でした。
白い手から渡された、色づきはじめたばかりのその実を、藤村はかじることができたのでしょうか。

私は持ち帰ったのではないかと想像しています。
その林檎は、熟れて蜜を包容するようになると、甘酸っぱい香りで部屋中を支配したのだろうと思います。

 

作品の林檎は、恋の魔法の蜜の詰まった金色の林檎にしました。
切り分けた林檎2点と丸のままの林檎1点の3点セットです。
3点とも火がともせます。
林檎の香りつきです。

 

 

「初恋」個展へ向けてのごあいさつ

私は物心ついたころから変わりゆくものへの恐怖心があります。
時間、温度、光景、気、物の形…
変わることによる喜びもありますが、喜びには悲しさがついてくると感じています。
悲しみは美しく、そこにエロスを感じることもあります。

 

恋もそうです。
持論ですが、初恋は、一度ではないと思うのです。
恋の度に、人も違えば環境も考えも全ての状態が変わるからです。
そして、初めての恋にとまどい、喜び、悲しみ、考え、愛を学ぶのだと思うのです。

 

 

今回の展示に「初恋」という題材を選んだのは、短期間に変動し続ける心の葛藤を表現してみたいと思ったのと、一つ一つの作品というだけでなく、全体が一つとしての物語を作ってみたいと思ったのです。

藤村の淡い初恋の喜びと、内に秘められた燃え上がる恋の炎をベースにし、私の感じる「恋」というものの不安定な憂いの美しさを形にしてみたいと思いました。

 

そして、近代詩の父と呼ばれる藤村は、文学界で大きな批判を買いながらも新しいものを作っていこうとした人であり、封建的な出版界を覆した人でもあります。

私も何にとらわれることなく、常に新しいものへの挑戦をしていきたい、そんな思いも込めています。

 

 

そういうわけで、「初恋」キャンドル展が明日から始まります。
FBとブログ、ホームページにて毎日一つずつ、藤村に絡めた作品の紹介と、よくある初恋の物語とを絡めて、作品を紹介していきたいと思います。

 

物語は私の創作の恋バナなので、ブログでのみ公開します。
文章はあまり上手くありませんが、作品とそれを見る人を恋の色に染めてくれることを願っています。